補助金・助成金の申請は行政書士にサポートを頼むべき?それとも自分でやるべき?

補助金
この記事の監修者:行政書士 五味 修

長かったコロナ禍が明け、次のステップに向かって販路拡大、新商品の開発、社内業務の効率化を考えている経営者の方が多くいらっしゃることかと思います。

例えば、、、

・このアイディアを商品化したいんだけど…

・取引先からもっと発注したいという要望が来てるけど限界…

・在庫管理や書類作成、会計作業などが煩雑すぎる…

このような悩みを抱えていませんか?

こうした悩みを解決するために活用したいのが、補助金や助成金です。

補助金や助成金を活用することで、新しい機械を買ったり、業務システムを導入したりすることが可能となり、販路拡大、新商品の開発、社内業務の効率化、といった課題の解決につなげていくことができます。

とはいえ、「補助金・助成金は申請が大変で、受給するまでに時間がかかるから利用しない」という方もいらっしゃいます。

でも、補助金や助成金は受給できれば、その分については、その後一切返済する必要のない資金です。

逆に補助金や助成金を活用しなければ、設備投資の費用は全額自費で負担するか、金融機関の融資に頼ることになります。

今回のコラムでは、補助金や助成金を効果的に活用する方法について、ご説明してまいります。

補助金・助成金とは

補助金も助成金も、国や地方公共団体、民間の団体(財団)等から支給されるお金のことです。

当然、財源は税金等の公的資金から支出されるので、誰でももらえるわけではなく、申請や審査が必要になり、一定の資格が必要な場合もあります。

このうち「助成金」と呼ばれるものは、要件を満たせば受給できる可能性が高いものが多くなっています。

例えば、厚生労働省の所管している助成金は、要件を満たしていること、所定の様式に従って申請を行うことが必要ですが、これらの条件を満たした事業者には原則給付されます。

これに対して「補助金」は採択件数や金額があらかじめ決まっており、申請したからといって必ずしも受給できるわけではありません。

申請が60社に対し、採択予定件数が40社であれば、20社は審査で落ちてしまうことになります。

また、「補助金」の場合は、一か月程度の公募期間を設けるのが一般的です。

この期間内に所定の書類を揃え、申請する必要があります。

多くの場合は、採択件数に対し、応募件数が上回ります。

提出書類でその妥当性や必要性をアピールできないと、どんなに良い提案をしても採択には至りません。

その意味で、補助金の申請に関しては、提出書類の内容が極めて重要であると言えるため、公募期間前からの念入りな準備が必要になります。

「助成金」も採択件数や金額があらかじめ決まっているのですが、多くの場合は先着順で予算を使い切ると募集終了になります。

そのため、助成金も募集開始前に受給の準備を進めることが重要です。

ここで注意が必要なのが、「助成金」や「補助金」という言葉は必ずしも明確に区別されていないということです。

例えば東京都が所管している「助成金」の中には、上記の「補助金」の色合いが強いものもあったりします。

ですので、各々の制度の内容をよく理解するようにしてください。

「補助金」も「助成金」も必ず受給できることを前提にして考えていると、採択されなかった時に計画が崩れてしまうため、受給できなかった場合のことも想定しながら、準備を進めておくことが肝要です。

代表的な補助金・助成金

それでは、代表的な『補助金』をいくつか紹介します。

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が生産性向上のためのITツールの導入を支援する補助金のことです。

ITツールは、ソフトウェア製品やクラウドサービスなどのことで、IT導入補助金の事務局に登録されたITツールの販売を行う事業者の支援を受けながら、ITツールの導入、補助金の受給を行います。

ものづくり補助金

ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

この補助金は、中小企業などが生産性向上や賃上げのために、革新的なサービスや商品の開発や生産を行うための設備を導入するためのものです。

持続化補助金

持続化補助金の正式名称は「小規模事業者持続化補助金」です。

この補助金は、小規模事業者が、顧客を増やすための販路開拓や生産性向上に必要となる設備等の導入経費の一部を支援するものです。

省力化補助金

省力化補助金の正式名称は「中小企業省力化投資補助金」です。

この補助金は、中小企業が売上拡大や生産性向上を図るため、IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入に必要な経費の一部を支援するものとなっています。

この補助金もIT導入補助金と同様、あらかじめ省力化補助金の事務局に登録された設備の販売を行う事業者の支援を受けながら、設備の導入、補助金の受給を行います。

次に代表的な『助成金』を紹介します。

特定求職者雇用開発助成金

就職氷河期世代の方や、母子家庭の母、障害者、生活保護受給者等を一定期間継続して雇い入れた場合に助成されるものです。

キャリアアップ助成金

有期契約労働者(期間の定めのある労働者)や短期間労働者、派遣社員といった非正規雇用労働者のキャリアアップを促進する取り組みを行っている事業者に対して受給できる助成されるものです。

人材確保等支援助成金

事業主が、人事制度や雇用管理制度、賃金制度の整備・導入等により、雇用管理の改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に助成されるものです。

また、『助成金』という名称になっていますが、実質は『補助金』としての取り扱いになっているものをご紹介します。

東京都創業助成金

東京都内に本店や支店を置く創業5年以内の事業者が、創業時に必要な物品購入費や賃料、広報費用などに対し助成されるものです。

展示会出展助成事業

東京都内に本店や支店を置く事業者が、BtoBの展示会への出展する際の各種費用等に対し助成されるものです。

補助金・助成金を受給するまでのステップ

補助金や助成金を受給するためには、概ね以下の図のようなステップを踏む形で進んでいくケースが多くなっています。

ものづくり補助金公募要領概要版_18次締切

補助金や助成金の受給を考えはじめる時に、まずやることは、「自社(者)の課題やその解決策は何か」「それに対しどの補助金や助成金がフィットするのか」を把握することになります。

それを知るためには、自社(者)の状況分析を行い、補助金や助成金の情報を集めることが必要となります。

自社(者)の状況を客観的に分析するのは、なかなか困難なため、他者に業務委託をするケースが多くみられています。

また、補助金や助成金の情報は、所管ごとに発表になる時期がまちまちであったり、情報が一元化されていなかったり、一元化されている検索サイトがあったとしても、検索の方法や検索結果の情報の読み取り方が難しかったりすることがあります。

自社の分析と応募したい補助金・助成金を絞り込んだら、申請書類を作成していきます。

申請にあたっては、さまざまな書類を用意したり、複雑な手続きが多いため、自分で全てを行うと想像以上に時間がかかることが多いです。

補助金・助成金を申請し、採択された後は、補助金・助成金で計画した事業を実現するために、計画書に記載した設備の導入等を行い、補助金・助成金を受給するための証拠書類を作成したり、集めたりします。

これらを報告書という形でとりまとめ、補助金・助成金の事務局に受理してもらえると、ようやく補助金・助成金の給付を受けることができます。

この採択後の作業も、申請書類の作成と同じかそれ以上に労力と時間がかかることが多いです。

さらに、補助金・助成金の種類によっては、補助金受給後も定期的な報告や調査が求められるものもあります。

これらを怠ったり拒否したりすると、受給した補助金と賦課金(過怠金)を合わせた金額を返還しなくてはならなくなることもあります。

補助金・助成金の申請サポートができる専門家とは

前項で、補助金・助成金を受給するまでにはとても多くの労力と時間がかかることが、ご理解いただけたことと思いますが、これらについて専門家に補助金や助成金の申請サポートをしてもらうことで、こうした手間を省くことができます。

ただ、専門家に申請サポートをしてもらいたいと思っても、どの専門家に頼めば良いのかわからない方がほとんどだと思います。

そこで、補助金、助成金の申請サポートができる専門家について解説します。

補助金の申請サポートができる専門家

補助金の申請サポートができる専門家は、行政書士や税理士、公認会計士、中小企業診断士などが一般的です。

その他にも、弁護士や司法書士、金融機関、コンサルティング会社なども補助金の申請に必要なサポートをしてくれるケースがあります。

しかし、上記に記したすべての専門家が補助金の申請サポートを行っているわけではありません。

専門家には得意分野があり、補助金に関する業務を取り扱っていない場合もあります。

また、経産省管轄の補助金の場合では、認定支援機関や金融機関との連携が必要となるケースがあります。

さらに、補助金申請を進める際には、申請のサポートだけでなく、その後の報告までサポートしてくれるかどうかも確認した方が良いです。

なぜならば、前項でもご説明したとおり、事後の報告を怠ってしまったために、補助金を受給できなかったり、受給済みの補助金などを返還しなくてはならなくなることがあるからです。

こうした補助金に対応している専門家をご自身で見つけるとなると、それこそ時間や労力がかかってしまうので、アスクプロが運営している相談サポートを利用することをお勧めします。

補助金の申請サポートができる行政書士を探してみる

助成金の申請サポートができる専門家

前の項目でもご説明したとおり、『助成金』の多くは厚生労働省が所管する労働・雇用関係のものになっています。

こちらは、社会保険労務士法で、厚生労働省が所管する助成金の申請書作成、提出などは、社会保険労務士の独占業務と定められていることから、労働・雇用関係の助成金の申請サポートができる専門家は、社会保険労務士だけです。

しかし、助成金に関する業務を扱っていない社会保険労務士も多いため、助成金業務を取り扱っている社会保険労務士を見つけなければいけません。

こちらについても、アスクプロが運営している相談サポートを利用したり、インターネットで検索したりして、お近くの社会保険労務士を見つけて、助成金の申請サポートを取り扱っているかどうか、電話やメールにて確認してみると良いかもしれません。

補助金申請は自分でできるの?

結論から言うと、補助金申請は自分でできます。

しかし、これまでに説明してきたとおり、補助金申請はとても複雑で、補助金の目的にあった事業であることを明確に説明した申請書や事業計画書の作成などが必要となります。

補助金は申請すれば必ず採択されるというわけではありませんから、伝わりにくい文章だったり、申請書や事業計画書の内容が的外れだったりすると、採択される確率がグッと下がってしまいます。

そのため、自分で補助金申請を行った場合、時間と労力だけがかかり、残念な結果に・・・ということも。

また、採択までこぎつけたとしても、その後の報告作業に必要な書類作成も煩雑で、結果として補助金の受給ができなかったり、返還しなければならなくなったりすることもあり得ます。

こうした最悪の事態を防ぐためには、行政書士などの専門家に補助金申請のサポートを依頼することがベストと言えます。

補助金の申請サポートを行政書士(専門家)に依頼するメリット

補助金の申請サポートを行政書士に依頼するメリットを紹介します。

採択される確率が高くなる

補助金を受給するためには、審査に通らなければいけません。

審査に通るために最も大切といわれているのが、事業計画書です。

事業計画書は審査で最も見られるポイントなので、補助金申請をする事業者は申請する補助金の目的に沿った事業計画書の作成をする必要があります。

補助金の目的の多くは、国や地方自治体の政策に沿って作られています。

日ごろから、省庁や役所の政策を研究している行政書士に依頼すれば、審査に通りやすい事業計画書の作成方法を熟知しているため、必然的に審査に通る確率が高くなります。

申請だけをして採択されないということになれば、それまでの時間と労力は無駄になってしまいます。

少しでも採択される確率を高くするためにも、行政書士に補助金の申請サポートを依頼することをおすすめします。

補助金の申請サポートができる行政書士を探してみる

必要書類の作成の手間が省けてスムーズに申請できる

補助金申請には、さまざまな書類の作成が必要となります。

そのため、必要となる書類を把握する必要がありますが、補助金の要綱や手引きは非常にたくさんのページで構成されており、自分に必要な情報を読み取ったり、実際に書類を準備したりするには、思った以上に時間と手間がかかります。

こうした作業は、初めて補助金申請にチャレンジする場合、かなり負担に感じると思います。

また、これまでに補助金申請を自分で行ったことがある方にとっても、要綱や手引きの内容を正確に読み取ることは、とても煩雑な作業に感じることと思います。

こんなときこそ、日頃から国の省庁等に書類を提出するための手引きや要綱に親しんでおり、短時間で内容を把握することができる行政書士に必要書類の作成等のサポートを依頼すれば、こうした作業の手間を省くことができ、補助金の申請や報告をスムーズに行うことができるようになります。

本業に集中しながら、自社(者)の課題解決を実現できる

補助金の申請を自分で行った場合、想像以上の時間や労力がかかるため、本業の営業に差し障りが出るといった問題が発生してしまいます。

しかし、行政書士に補助金の申請サポートを依頼すれば、本業の営業に集中しながら、補助金の申請や受給ができ、最終的には、新たな設備投資の負担を軽減させながら、自社(者)の課題解決という成果を得ることができるようになります。

補助金の申請サポートを行政書士(専門家)に依頼するデメリット

補助金の申請サポートを行政書士に依頼するデメリットを紹介します。

依頼費用が発生する

当然のことですが、補助金の申請サポートを行政書士に依頼すると、依頼費用が発生します。

しかし、前のトピックでもお話しましたが、依頼費用がかかったとしても、補助金申請にかかる労力や時間を削減でき、本業の営業にも集中することが可能になるため、結果的には依頼費用以上の成果を得られることになります。

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【結論】補助金の申請サポートは行政書士に依頼しよう!

これまで、補助金・助成金の活用や申請の方法、補助金・助成金の申請等を自分でやるべきなのか、行政書士に依頼すべきなのかなどについて解説してきましたが、結論としては、

「補助金の申請サポートは、行政書士に依頼しよう!」

です。

特に、初めて補助金申請をしようと考えている人は、迷わず行政書士にサポートを依頼してみましょう。

とはいえ、いきなりサポートの依頼をするのは不安を感じると思います。

そんなときは、初回相談無料の行政書士に問い合わせをしてみたり、区市町村や公民館、商業施設等で行われている無料相談会に足を運んでみたりすると良いと思います。

依頼したいと思う行政書士を探すことが難しいときは、アスクプロが運営している相談サポートを利用すれば、お住まいのエリアから補助金業務を得意とする行政書士を探してくれるので、とても便利です。

多くの方々に「あのとき行政書士に依頼しておいてよかった」と思っていただける日がくるよう、行政書士はあなたの悩みに寄り添い、全力でサポートしてまいります。

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