建設業許可ってなんですか?
簡単に説明すると建設工事を請け負う場合には、許可を取らないといけませんよと法律で決まっているんです。
そうなんですか!?全然知りませんでした。
許可を取得しなかった場合は、建設業法違反になることもあるので、知らないでは済まされません!
建設業許可について詳しく教えてくれませんか?
いいですよ!わかりやすく解説するので最後までついてきてくださいね!
建設業をこれから始めたい方、すでに建設業で活躍されている方、建設業で独立を考えている方のために建設業許可について詳しく解説します。
建設業許可とは?
建設業許可は文字通り、建設業を営む場合に、許可を取らなければいけませんということです。
建設業法第3条で「建設業の許可を受ける必要がある」と定められているので、許可を取らずに営業してしまうと、建設業法違反となり、行政処分を受ける可能性があるので注意しましょう。
自分が建設業法違反をするはずがない!と思っているかもしれませんが、安易に考えている人の方が、うっかり建設業法違反をしてしまう可能性があるので、自分事と捉えて読み進めてください。
建設業許可が必要な場合と不要な場合について解説します。
建設業許可が必要なときってどんなとき?
建設業を営む場合は、どのような場合でも、建設業許可を取得しておくことがベストですが、「許可を取得しなくても良いならしたくない!」という人のために、建設業許可が絶対に必要となるのはどんなときなのか解説しますね。
個人、法人問わず、1件の工事請負金額が税込500万円以上の場合は、建設業許可が必要となります。
ただし、建築一式工事(新築工事、増改築、改修工事などの大規模工事)の場合は、工事請負金額が税込500万円以上ではなく、税込1,500万円以上、または工事金額に関係なく延べ床面積が150㎡以上の木造住宅工事の際に建設業許可が必要となります。
建設業許可が不要なケース
前のトピックでは、建設業許可が必要な場合を説明しましたが、次のような軽微な工事のみを請け負う場合は、建設業の許可を受けなくてもよいとされています。
①建築一式工事(新築工事、増改築、改修工事などの大規模工事)の場合、税込1500万円未満の請負金額、または工事金額に関係なく延べ床面積が150㎡未満の木造住宅工事の場合に許可不要。
②建築一式工事以外の工事は、工事1件の請負金額が税込500万円未満の場合に許可不要。
建設業の許可が不要な軽微な工事のみを請け負う場合でも、建設業許可を取得しておくことをおすすめします。
元請業者が下請業者を選ぶ際に、建設業許可を取得しているかを条件としている場合が多いため、建設業許可を取得している場合としていない場合とでは、工事の依頼件数に大きな差が出る可能性が高いからです。
これは元請業者が施工能力がある優秀な下請業者かどうか判断する材料として、建設業許可の取得をしているかしていないかで判断している場合が多いからです。
つまり工事請負金額に関係なく、建設業を営む場合には建設業の許可を取得しておくことで、業者の信用・信頼に繋がり、結果的に多くの工事依頼を獲得できるようになるのです。
建設業許可の種類と区分について
建設業許可には、いくつかの種類や区分があり、「営業所をどこに置くのか」「営業所の数」「どのくらいの規模の工事を請け負うのか」によって、建設業許可の種類、区分が変わってきます。
建設業許可の種類、区分について解説します。
事例も用意して解説しますので、あなた自身のご状況と照らし合わせながら読んでいただけるとより理解が深まると思います。
建設業許可の種類(大臣許可と知事許可)
建設業許可の種類には大臣許可と知事許可の2種類が存在しています。
大臣許可と知事許可のどちらが必要となるかは、「営業所をどこに置くのか」や「営業所の数」によって変わってきます。
それぞれ簡単に説明していきます。
国土交通大臣許可 | 複数の営業所を別の都道府県に置く場合(東京都と神奈川に営業所を置くなど) |
知事許可 | 営業所を1つの都道府県にのみ置く場合※ |
※営業所を複数置く場合でも、1つの都道府県に置くのであれば、知事許可の取得となります。
よりわかりやすく事例を用意しましたので、一緒に見ていきましょう。
(事例)
建設業で独立を考えています。
東京都を本社として、神奈川県、埼玉県、千葉県に支社を置く予定です。
(解説)
上記の事例の場合は、4店舗を構える予定で、複数の都道府県に営業所を置くため、国土交通大臣許可の取得が必要となります。
(事例)
千葉県に密着した建設業を開業したい。
千葉県全域のお客様に対応したいため、千葉県内に3店舗営業所を置きます。
(解説)
上記の事例の場合は、複数の営業所を置く予定とのことですが、千葉県内に3店舗全てを置くため、知事許可の取得が必要となります。
建設業許可の区分(一般建設業許可と特定建設業許可)
建設業許可には、一般建設業の許可と特定建設業の許可に区分されており、下請に工事を依頼する際の工事費用によってわかれます。
それぞれ簡単に説明していきます。
一般建設業許可 | 下請に工事を依頼しない場合や、下請に依頼する場合の1件の工事金額が税込4,000万円未満の場合(建築一式工事の場合は税込6,000万円未満) |
特定建設業許可 | 下請に工事を依頼する場合に1件の工事金額が税込4,000万円以上の場合(建築一式工事の場合は税込6,000万円以上) |
よりわかりやすく事例を用意しましたので、一緒に見ていきましょう。
(事例)
発注者から請け負った工事を下請に出さず自社で全て施行する。
(解説)
下請を利用しないため、一般建設業許可となります。
(事例)
発注者から請け負った工事を下請に工事を依頼したい。
下請に出す工事金額は税込4,200万円です。
(解説)
下請に依頼する工事金額が4,000万円を超えているため、特定建設業許可となります。
建設業許可が必要となる29業種
建設業許可が必要となる業種は、平成28年6月1日に新たな業種として解体工事業が新設されたため、28業種から29業種となりました。
建設業許可が必要となる29業種は以下のとおりです。
- 土木一式工事業
- 建築一式工事業
- 大工工事業
- 左官工事業
- とび・土工工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- タイル・レンガ工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 舗装工事業
- しゅんせつ工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装仕上工事業
- 機械器具設置工事業
- 熱絶縁工事業
- 電気通信工事業
- 造園工事業
- さく井工事業
- 建具工事業
- 水道施設工事業
- 消防施設工事業
- 清掃施設工事業
- 解体工事業 (平成28年6月1日法改正により新設)
建設業許可が必要となる29業種を詳しく解説した記事も参考にしてください。
まとめ
建設業許可の取得が必要な場合と不要な場合が存在すること、また、建設業許可の種類や区分がさまざま存在することがわかりましたね。
建設業を営む場合には必ず知っておくべき知識ばかりなので、1度読んでも理解できなかった場合は、あなたに直接関係のあるトピックだけでも、もう1度読み返して理解を深めてほしいです。
建設業をこれから始めたい方、すでに建設業で活躍されている方、建設業で独立を考えている方のタメになっていると嬉しいです。
建設業許可の取得を考えてる方は、建設業許可に詳しい行政書士などに相談してみると良いでしょう。