【車庫証明の取り方マニュアル】必要書類から書き方まで解説

車庫証明

車庫証明は、新しく自動車を手に入れた際などに必要となるものですが、「手続きが複雑そうだ」「自分ひとりで取得をするのは無理ではないのか」と思われる方も多いのではないでしょうか?

しかし、用意すべき書類や、その作成方法をひとつひとつ確認することによって、ご自身で取得することが可能です。

そこで、以下では、車庫証明を取得する際の手順や、必要な書類とその書き方についてご説明します。

車庫証明とは

車庫証明とは、自動車の駐車場が存在していることを証明するための書類であり、正式には「自動車保管場所証明書」という名称です。

通常は、車庫証明を取得する手続きは、自動車を購入したディーラーや中古車販売店が行ってくれるケースが多くなっています。

しかし、ご自宅から遠い地域で購入した場合や、知人から譲り受けた場合、引っ越しによって車の保管場所に変更があった場合には、ご自身で手続きを行わなければなりません。

車庫証明を取得するためには、

  • 保管場所が、使用の本拠地から直線距離で2km以内
  • 車庫に通じる道が通行禁止ではなく、幅員制限に抵触しない
  • 車全体が道路にはみ出さずに収容できる
  • 他人の土地・建物を保管場所とする際には、保管場所使用承諾証明書を用意する

といった、4つの要件を満たさなければなりません。

なお、軽自動車の場合には、車庫証明が不要な代わりに、地域によっては車庫の届け出を求められることがあります。

車庫証明の取り方の手順

車庫証明を取得する際には、4つの段階があります。

以下で詳しく見ていきましょう。

車庫証明の必要書類を用意しよう

一つ目の段階は、車庫証明の際に必要となる書類の用意です。

こちらの書類は、車庫がある場所を管轄している警察署で受け取ることが可能です。

自動車を購入した販売店でも受け取れる場合もあるので、購入の手続きの際に相談してみましょう。

また、書類を直接受け取らなくても、ご自身の車庫を管轄する警察署のホームページでダウンロードできる場合もあります。

各種書類の作成

二つ目の段階は、提出する各種書類の作成です。

この際に、必要となる書類は、ご自身で車庫を所有している場合と、借りている場合で異なります。

両者に共通する書類は、

  • 自動車保管場所証明申請書
  • 保管場所の所在図・配置図

の2点です。

そして、車庫をご自身で所有している場合は「自動車保管場所証明申請書(自認書)」、分譲マンションの敷地内駐車場も含めた賃貸の場合は「保管場所使用承諾証明書」を用意します。

その他にも、申請者の住所と使用の本拠地が異なる場合には、運転免許証や公共料金の領収書などを提出するケースもあります。

警察署への書類提出・申請

三つ目の段階は、警察署への書類提出・申請です。

警察署の受付時間は、基本的には平日の午前9時から午後5時までです。

土曜日・日曜日や祝日、年末年始はお休みです。

申請を行う際には、手数料が必要です。

また、押し直しを行う場合もありますので、印鑑を持参しましょう。

書類に不備がなければ、「納入通知書兼領収書」を受け取ります。

こちらは、車庫証明を受け取る際に必要となりますので、大切に保管します。

その後、交付までには申請日から3日から7日ほどかかります。

そのため、車を購入する直前ではなく、余裕をもって行いましょう。

なお、受付時間や手数料など、警察署ごとに細かな違いがあります。

受付を行う前には、事前に確認を行うことをおすすめします。

警察署で車庫証明書の受け取り

四つ目の段階は、警察署での車庫証明書の受け取りです。

申請日から一定日数の経過後、改めて警察署に行き、事前に受け取った「納入通知書兼領収書」を提示します。

この際に交付されるものは、

  • 自動車保管場所証明書
  • 保管場所標章番号通知書
  • 保管場所標章

の3点です。

車庫証明の必要書類

車庫証明の申請を行う際に必要となる書類は、普通自動車の場合と軽自動車の場合では異なります。

以下では、必要書類を、普通自動車と軽自動車に分けてご説明します。

普通自動車の場合

普通自動車の場合に、必要となる書類は以下の3点です。

  • 自動車保管場所証明申請書

こちらは、保管場所を申請するための書類です。

なお、自動車保管場所証明申請書と同様の内容を、「保管場所標章交付申請書」に記載して提出します。

  • 保管場所の所在図・配置図

所在図は、居住地と駐車場との距離を図面にした書類です。

配置図は、保管場所やその入口、周辺の建物・空地・道路およびその幅員などを表示した書類です。

  • 保管場所使用権原疎明書面

こちらは、保管場所の土地・建物を、誰が使用するか明らかにしている書類です。

保管場所使用権原疎明書面は、土地・建物の所有者によって提出するものが異なります。

ご自身で所有している場合は「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」、他の方が所有している場合は「保管場所使用承諾証明書」を提出します。

上記の他にも、申請者の住所等と自動車の使用の本拠が異なる場合には、使用の本拠の位置を証明する資料の提出を求められる場合があります。

こちらに該当する資料としては、運転免許証や公共料金の領収書、郵便物などが挙げられます。

軽自動車の場合

軽自動車に関しては、普通自動車と同様に、

  • 保管場所の所在地・配置図
  • 保管場所使用権原疎明書面
  • 使用の本拠の位置を証明する書類(申請者の住所等と自動車の使用の本拠が異なる場合)

を、提出します。

なお、軽自動車の場合には、「自動車保管場所証明申請書」にかわって、「自動車保管場所届出書」を提出し、同様の内容を、「保管場所標章交付申請書」に記載して提出します。

また、地域によっては、自動車検査証のコピーの提出が必要となる場合もあります。

車庫証明の必要書類の書き方

車庫証明の必要書類は、作成方法が定められています。

以下では、車庫証明の必要書類の適切な書き方についてご紹介します。

自動車保管場所証明申請書の書き方

自動車保管場所証明申請書に記載する項目は、以下の通りです。

  • 車名

こちらには、「ホンダ」「トヨタ」などのメーカー名を記載します。

車種名ではないため、注意が必要です。

  • 型式

こちらには、車検証の「型式」欄と同様の内容を記載します。

  • 車体番号

こちらには、車検証の「車体番号」欄と同様の内容を記載します。

なお、新車を購入した場合など、番号が不明な場合には空欄で提出し、交付時にあらためて記載することも可能です。

  • 自動車の大きさ

こちらには、車検証の「長さ」「幅」「大きさ」と同様の内容を記載します。

不明な場合には、販売店に確認をしましょう。

  • 自動車の使用の本拠の位置

こちらには、使用者の自宅の住所を記載します。

原則として、こちらは住民票のある住所となります。

しかし、単身赴任などの場合には、公共料金の証明書といった居住していることを証明する書類を添付することによって、例外的に住民票以外の住所で申請することが可能です。

  • 自動車の保管場所の位置

こちらには、駐車場として使用する場所の住所を記載します。

なお、保管場所の位置は、「自動車の使用の本拠の位置」、つまり自宅などから2km以内という要件を満たさなければなりません。

  • 保管場所標章番号

買替や増車、あるいは使用の本拠地と保管場所に変更がない場合は、既に発行された保管場所標章番号を記載することによって、所在図の記載を省略することが可能です。

  • 申請者

こちらには、申請日に加え、申請者の氏名・住所・電話番号を記載します。

また、管轄する警察署名も記載しておきましょう。

  • 使用権原/連絡先

こちらには、車庫の所有者と連絡先を記載します。

  • 新規/代替

こちらには、新規で申請する車庫、もしくは現在所有中の車と入れ替えて申請する車庫なのかを記載します。

なお、入れ替えの場合には、「前車」の欄に、所有中の車のナンバーを記載します。

自動車保管場所届出書の書き方

自動車保管場所届出書に記載する項目は、自動車保管場所証明申請書とおおむね同じであり、項目としては、

  • 車名
  • 型式
  • 車体番号
  • 自動車の大きさ
  • 自動車の使用の本拠の位置
  • 自動車の保管場所の位置
  • 保管場所標章番号
  • 申請者
  • 使用権原/連絡先
  • 新規/代替

などが挙げられます。

なお、「自動車の区分」の欄には、「軽」の部分に丸をつけて提出します。

保管場所の所在図・配置図の書き方

保管場所の所在図記載欄には、「自動車使用の本拠の位置」と「自動車の保管場所の位置」の位置関係が分かるように、地図を記入します。

地図は手書きに加え、インターネットから印刷したものを適当なサイズに切り貼りして添付することも可能です。

なお、上述の通り、既に車庫証明を取得した申請者の旧自動車の本拠・保管場所位置が同じ場合には、省略することが可能です。

保管場所の配置図記載欄には、車庫の詳細図を記入します。

必要な情報としては、車庫の幅・奥行きや、接する道路の幅です。

集合駐車場の場合には、番号なども記載します。

保管場所使用権原疎明書面の書き方

保管場所使用権原疎明書面(自認書)に記載する項目は、以下の通りです。

  • 証明申請・届け出

こちらには、小型車・普通自動車の場合は「証明申請」、軽自動車の場合は「届け出」に丸をつけます。

  • 土地・建物

こちらには、申請する車庫について、「土地」または「建物」の当てはまるものに丸をつけます。

なお、両方に当てはまる場合には、両方に丸をつけます。

  • 日付・住所など

こちらには、申請日とともに、車庫所有者の住所・氏名・電話番号を記載します。

なお、「警察署長」の前には、管轄する警察署の名称も記入します。

保管場所使用承諾証明書の書き方

保管場所使用承諾証明書に記載する項目は、以下の通りです。

  • 保管場所の位置・駐車場の名称・駐車位置番号

こちらには、車庫証明を申請する保管場所の住所・駐車場名・位置番号を記載します。

  • 保管場所の使用者

こちらには、使用者の住所・氏名・電話番号を記載します。

  • 保管場所の契約者

こちらには、保管場所の契約を結ばれている方が、使用者と異なる場合に記載します。

同一の場合には、「同上」と記入します。

  • 使用者と契約者の関係

こちらには、車庫の契約者と使用車が異なる場合に、該当するものに丸をつけます。

  • 使用期間

こちらには、車庫の契約期間を記載します。

  • 駐車場の所有者又は管理委託者

こちらには、車庫の所有者が署名をします。

相手方が署名することができない場合もありますので、日程に余裕をもって依頼することが望ましいでしょう。

まとめ

以上のように、車庫証明の取得は、ポイントをおさえることでご自身で行うことも可能です。

しかし、取得が困難な場合や、仕事との兼ね合いで平日に手続きを行うことが出来ない場合もあるかと思います。

そのような場合には、行政書士などの専門家が代理で手続きを進めることが可能です。

車庫証明の取得に関してお困りの際には、専門家である行政書士にご相談してみてはいかがでしょうか?

行政書士を探してみる

この記事の監修者:行政書士 永江 広明(登録番号 第17080770号)